伝統の灯りを守る和蝋燭、愛媛県・内子町

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松山市から車で約1時間、愛媛県南部の小さな町・内子町。 伝統的な造りの町家や豪商の屋敷が軒を連ね、ノスタルジックな雰囲気があります。通りには学校に通う子供たちや、忙しく走り回る郵便屋さんの姿も見受けられ、昔ながらの日本の風景が広がります。

内子町は江戸時代から明治時代にかけて、木蝋(もくろう)の生産によって栄えました。 木蝋とは、ハゼの実の皮から得られる油脂で、主に和蝋燭の原料として使用されます。内子町の木蝋は質が高く、全国シェアの多くを占めていたそうです。

今回は、その内子町にある愛媛県で唯一の和蝋燭屋「大森和蝋燭屋」をご紹介します。

店内に一歩足を踏み入れると、そこは別世界。さまざまな大きさの和蝋燭が並んでいます。 大森和蝋燭屋の歴史は古く、創業約200年。江戸時代から伝わる和蝋燭の伝統を守り続けています。 現在は6代目の太郎さんと息子の亮太郎さんが、和蝋燭づくりに励んでいます。

▲店内の板間にて、蝋燭づくりの風景を見ることができます

この店の和蝋燭は、和紙、燈芯(い草の髄)、真綿を使った手作りの芯に、溶かした木蝋を素手で一層一層、丁寧に塗り重ねる日本古来の伝統技法「生掛け製法」で作られています。

絵付けや香り付けをしないシンプルで素朴な和蝋燭です。

和蝋燭の灯りは、揺らめく炎が大変美しく、暮らしに温かさと安らぎを与えてくれます。

また、石油由来の蝋燭とは異なり、煤や匂いが出ることがなく、風を当てなければ蝋が垂れることもなく、最後まで美しく燃えてゆきます。

いかがでしたか?

和蝋燭に興味を持たれた方は、ぜひ、愛媛県・内子町の大森和蝋燭屋を訪れてみてはいかがでしょうか。日本古来の伝統手法「生掛け製法」による実演を間近で見ることができますよ。

訪日ゲストへのメッセージ

愛媛県にある山あいのまち・内子町。

和紙や木蝋をはじめ、伝統産業が息づくまちで、江戸時代から6代に渡って和蝋燭をつくり続けています。

土間から続く板間で黙々と作業する風景を、訪ねたお客さまがガラス越しにのぞくのも、わたしたちの日常です。

ここから生まれる和蝋燭が使うひとの日常をほんのり照らす存在になれるよう、和蝋燭の伝統と風景を大事に守っていきたいです。

店舗情報

住所・アクセス

Address 2214, Uchiko, Uchiko-cho, Kita-gun, Ehime, 791-3301, Japan

Open 9:00 - 17:00