浮世絵のTsukioka、写真のArakiなど、レアなアート本が揃う大阪・『阪急三番街・阪急古書のまち』

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  • 更新日

    • 2025-01-23

 漫画、文学、洋書、アート作品の古書は、懐かしさや丁寧な作りで人気があります。中でも絶版本や歴史的に価値の高いお宝作品が豊富に揃うのが阪急三番街「阪急古書のまち」です。阪急大阪梅田駅に隣接するこの場所では、新たなお宝古書との出会いの他に様々な買い物や食事も楽しめるのが大きな魅力です。

早速お店をご紹介しましょう。
■浮世絵、古地図、絵巻物・肉筆物など江戸時代以前の品を主に扱う大阪屈指の老舗店「中尾松泉堂書店」
 版画や書画だけでなく、古地図、書道、芸術、美術などの古書籍も揃っています。


・おすすめ古書①・・・貴重な江戸時代の大阪を描いた作品「浪速百景」

 江戸時代の大阪の情景を描いた作品は少なく、貴重な逸品です。これは3人の絵師の合作で、大阪の町の様子や庶民の姿が生き生きと描かれています。情景は全部で100枚あり、「真言坂(しんごんざか)」(写真右)と「天神祭り夕景」(写真左)を含む揃い2帖の値段は350万円と高価ですが、それだけの価値はあります。

・おすすめ古書②・・・和漢の物語や詩歌の中の月にまつわる場面を題材とした、浮世絵「月百姿(つきひゃくし)」 

 明治時代の最後の浮世絵師と言われる「月岡芳年(つきおかよしとし)の最晩年の大作で、全100枚のシリーズ。その中でも「鶏鳴山の月」は、鶏が鳴く早朝に笛を吹く前漢の軍師子房(張良)と月を描いた名作です。1枚11万円(額無し)です。

■日本画、洋画、民芸、工芸、茶道など美術工芸品全般が幅広く揃う「りーちあーと」
 最近は写真、デザイン、建築などの作品と美術工芸品に力を入れています。 
・おすすめ古書①・・・日本の代表的カメラマン、荒木経惟(あらきのぶよし)の「センチメンタルな旅」

 荒木経惟の名作とされる写真集で、奥さんとの新婚旅行をテーマとしています。自費出版ながら装丁が非常に素晴らしく、限定1,000部の貴重な作品です。表紙のタイトル及び裏の名前は自筆であり、値段は44万円です。
 
・おすすめ古書②・・・NYの写真家、 WILLIAM KLEINの「TOKYO」

 1964年に出版されたこの写真集は、東京オリンピックを3年後に控えた喧騒に沸く東京の街並みを撮影。黒の色がとても美しいグラビア印刷が特徴です。NY、ローマ、モスクワの都市を含む4部作の1冊で、値段は70,000円です。
 

■佛教書や考古学書を中心に江戸時代に出版された和本に力を入れた「藤沢書店」
 和本は和紙でとても丁寧に作られており、より多くの人に興味を持ってもらえるよう、値段の安い物から高価な物まで幅広く取り揃えています。中には入手が難しい貴重な古書もあり、これらのジャンルの書籍の買取も行う古本屋さんです。
・おすすめ古書①・・・仏教に興味のある人には垂涎の、僧侶の養鸕徹定(うがいてつじょう)の「羅漢図讃集」

▲画像出典:藤沢書店

 1863年に出版されたこの本は、著者自身の羅漢研究をまとめたもので、羅漢の描写も特徴です。本は木版で刷られ、色刷りされているのも珍しく、貴重な和本です。天・地・人の三部作で、値段は385,000円です。

・おすすめ古書②・・・お坊さんが勉強に使った「浄土三部経 木版揃4帖」

▲画像出典:藤沢書店

 江戸時代にお坊さんが経典を勉強するために使っていた、4巻揃った経典です。経典は和紙がしっかりしており、木版で刷られています。値段は16,500円です。

▲画像出典:阪急阪神ビルマネジメント株式会社

■施設の場所
  大阪府大阪市北区芝田1-1-3阪急三番街 南館 1階
  ※記事内の古書の価格は取材時のものです。また各お店の詳しい情報はHPよりご確認下さい。