将軍や姫君が愛した絢爛豪華なきものが勢ぞろい ———特別展「きもの KIMONO」

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    • 2020-08-13

日本の美意識を色と模様に表した「きもの」。東京国立博物館では現在、特別展「きもの KIMONO」を開催中。現存する最古の宮廷衣装のきものから、織田信長をはじめ日本の歴史上の人物が愛用したきもの、現代のデザイナーによるきものなど約300件の作品を展示。800年以上を生き抜き、今なお現代の人々を彩る「きもの」の過去・現在・未来を見つめる展示構成となっています。質・量ともに世界最大のきものコレクションを有する東京国立博物館で開催するかつてないきもの展です。

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江戸時代のきもの

江戸時代は京都と江戸(東京)を中心にきものの流行が発信されました。経済力をつけた商人を中心とした町方文化が開花し、さまざまなデザインが流行しました。

小袖 黒綸子地波鴛鴦模様

17世紀後半の経済力のある町方の女性の間で流行したデザイン(もしくは意匠)の遊び心溢れる小袖です。筍は日本では成長のシンボルであり、鴛鴦は夫婦円満を意味する吉祥模様であります。波が大胆に表現されており、黒地に金糸刺繍の対比が美しい逸品です。

5_小袖-黒綸子地波鴛鴦模様

小袖 黒綸子地波鴛鴦模様  江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵

振袖 白絖地若紫紅葉竹矢来模様

約1000年前に執筆された『源氏物語』。江戸時代でも恋愛小説として流行しており、このきものは『源氏物語』のモチーフ『若紫』の巻をイメージして「若」と「紫」の漢字を大胆に記されています。海外で人気の漢字Tシャツに見るような、斬新さと遊び心を感じられます。個性的な方が着られていたのかなーと想像をするのも楽しいです。

振袖 白絖地若紫紅葉竹矢来模様

振袖 白絖地若紫紅葉竹矢来模様  江戸時代・17~18世紀 東京国立博物館蔵

小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様

徳川十三代将軍の妻となった天璋院篤姫のきもの。とにかく圧倒的な存在感と美しさにビックリ。

雪が降り積もる竹の間を飛ぶスズメの模様がかわいらしい。竹やスズメの模様は刺繍でなされており、立体感があります。篤姫はスズメが好きだったそうで、お気に入りの1着であったかもし れませんね。

2章 31_5628 175小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様まわり

写真中央:小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様 天璋院篤姫所用 江戸時代・19世紀 東京・德川記念財団蔵 撮影:山本倫子

日本を代表する画家・尾形光琳の冬木小袖

江戸時代の名画家、尾形光琳。尾形光琳は、寄宿先である東京の材木商・冬木家に滞在中、この家の奥方のために白小袖に秋草図を描きました。光琳は呉服商に生まれましたが、彼が直接小袖に直接描いた作品のうち完全なきものの形で遺されているのは、この1着のみです。

8_小袖-白綾地秋草模様

重要文化財 小袖 白綾地秋草模様(通称〈冬木小袖〉)尾形光琳筆 江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵

最後に、ミュージシャンとして世界的に知られるX JAPANのYOSHIKIが手掛けた「YOSHIKIMONO」を紹介します。

『YOSHIKIMONO』は、呉服屋の長男として生まれ育ったYOSHIKIが、日本の伝統文化である着物を世界中に紹介したいという強い信念のもと、自ら立ち上げた着物ブランド。和と洋が融合された独自のセンスでコレクションを展開しています。

最新コレクションでは、伝統的な柄のきものをドレス風に着つけたり、マーベルコミックや

『進撃の巨人』のキャラクターを柄に使うなど、YOHSIKI自身が“きもの作り”を楽しんでいる

ことが伝わります。

きもの展画像②クレジット:特別展「きもの KIMONO」提供

いかがでしたか?

きものを通して、日本の歴史や文化をファッションの視点から味わっていただけたと思います。

渡航解禁後、訪日の際は、ぜひ、きものの魅力にふれてみてください。

特別展「きもの KIMONO」基本情報

チケットは事前予約制。オンラインでの予約は公式サイトをご覧ください。オンライン予約が難しい方向けに、当日のみ有効の日時指定券を各日若干枚のみご用意します。ただし、ご来館時に予定枚数が終了している可能性がありますので、決済可能なクレジットカード、スマートフォン(またはパソコンとプリンタを利用できる環境)をお持ちの方には、オンライン予約を強く推奨いたします。

■会期 6月30日(火)から8月23日(日)まで  ※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります

■開館時間 9:30~18:00 総合文化展は17:00まで

■会場 東京国立博物館 平成館

■公式サイト https://kimonoten2020.exhibit.jp/(外部サイトにリンクします)